ヨーロッパで暮らして感じる日本サッカーについて
先日、Twitterでこのような記事を見かけました。
スポーツ界の影響力の大きさは“プロ選手”よりも“YouTuber”? 元FC琉球社長が語る「メーカーがプロにスパイク提供をしなくなった」ワケ #文春オンラインhttps://t.co/pGmHBtaSxl
— 文春オンライン (@bunshun_online) October 27, 2021
この記事では、Jリーガーたちがスポンサー契約を打ち切られるなかで、サッカー系YouTuberにスパイクの提供を受け始めていることについて書かれていました。
メーカーにとっては、サッカー選手にスパイクを履いてもらうより、サッカー系YouTuberに履いてもらった方が、レビューもしてくれるし、サッカー少年・少女を始めとする多くの人が見て売上アップにつながるとのことでした。
1年前にJ1のヴィッセル神戸在籍のGK前川選手がプーマとのスポンサー契約を解除されたということを自身のブログで公開していました。
J1クラブで日本でも知名度の高いクラブ、前川選手は試合にだって出場している選手です。
それにも関わらず、スポンサーが離れていくというのはかなり驚きましたし、Jリーグを見て育った人間としては、サッカー選手よりもYouTuberの方がサッカーに関しての影響力が大きいというのはかなりショックでした。
サッカー少年・少女の関心が「プロサッカー選手」よりも「YouTuber」に変化している。
なぜこうなってしまったのかの原因、ポーランドに住んで見える日本とのサッカー文化との違い、日本のサッカーのこれからについて考えていきます。
日本の今と昔のサッカーを取り巻く環境
子供たちの関心がプロサッカー選手ではなく、YouTuberになってきている一番大きな要因はテレビです。
単純にテレビでサッカーがやってないから、子供たちのサッカー知識の情報収集がYouTubeに変化したと考えられます。
僕が小学生の頃はテレビでは結構な割合でサッカーの試合が放送されていました。
Jリーグはもちろん、海外リーグ(当時はセリエAが多かった)、国際試合、海外リーグのハイライト番組など。
だいたい海外の試合は深夜なので見れないため、父親にビデオテープでの録画をお願いしていました。
ちなみに僕の一番最初の鮮明な記憶というのが、5歳くらいのテレビで見た、ジェフユナイテッドvs清水エスパルスのJ1の試合でした。
確かその試合は4-3くらいの打ち合いで、試合終了後に父親にサッカーを習いたいとお願いしたのが、僕のサッカー人生の始まりでした。
こんな感じで僕はサッカーをテレビで見て育った人間です。
おそらく僕と同年代の人たちはテレビのサッカーで育った選手が多いと思います。
しかし、現代は放映権とかなんちゃら大人の事情でテレビでサッカーを見ることは少なくなりました。
Jリーグ、海外リーグ、日本代表戦を見るためにDAZNに契約しないと見れません。
親がサッカーに興味がなければ、DAZNの契約なんてしないから子供がサッカーを見れないなんてこともあるわけです。
テレビでサッカーを見てきた人間からすると、日本代表の試合すら地上波で見れないなんてのは、めちゃくちゃ異常なことです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c83e1d896927ba779f4a1c076c2908022a8563b2
このことから「テレビ活躍するサッカー選手」よりも身近に見ている「サッカー系YouTuber」の方が影響力が大きくなっているといえます。
ポーランドではどうなのか
テレビでのサッカー事情で言うと、ポーランドではポーランドリーグ(1部~3部)、代表戦、チャンピオンズリーグ、その他ポーランドクラブが出ているヨーロッパリーグは地上波で普通の時間に見れます。
サッカーの試合がない日は、代表戦の再放送やかなり昔の代表戦が放送されていたりします。
毎日チェックしているわけではないので、正確にどのくらいの頻度でというのはわかりませんが、今の日本の地上波よりもポーランドのテレビの方がサッカーを見る機会は多いです。
EUでは、W杯など公共性の高い試合を有料放送が独占することを禁止できる権限を加盟国の政府が持っています。
またイギリスでは、スポーツに限らず世界的なイベントは公平に視聴されるべしと法律で定められ、BBCが放送しています。
ですので、日本のような「サッカー選手<サッカー系YouTuber」の構図があり得ないような気がします。
日本サッカーのこれから
ポーランドでは先ほども言ったように、普及からサッカーを見る環境が整っています。
また日本とは違い、そこらじゅうにサッカーコートがあって、サッカーゴールがあって、子供たちは夕方になるとボールを蹴っています。
日本では危ないやうるさいなどの理由でボール遊び禁止の公園が増えているそうです。
実際、僕も去年日本で昼間に公園で弟とサッカーをしていたら「警察呼ぶよ?」と追い出されたことがあります。
お金を払わないとサッカーも見れない、公園でサッカーもできない、日本におけるサッカーはゴルフのように限られた人しかできないスポーツになっていくのでしょうか。
ポーランドの子供たちを見ると、小さい頃からサッカーのある生活と、日本のように生活のわずか一部分にサッカーがあるとでは、今後サッカーを続けていく上で大きな差になっていくと考えられます。
まとめ
今回はTwitterのJリーガーのメーカー離れの記事を読み、自分の考えまとめて書いてみました。
やっぱりプロのJリーガーは子供たちの憧れであってほしいと思います。
これはJリーグを見て育った1人のサッカーファンとして思うことです。
サッカーと言えば、マキヒカだよね、WINNERSだよね、とサッカー系YouTuberの名前が今は出ないかもしれないけど、近い将来出るかもしれない。
サッカーと言えばJリーグだし、なりたい選手は誰々というように子供たちの憧れであってほしいと願います。
また日本はヨーロッパに比べてサッカーへの関心が薄く、今後もさらにその傾向は強くなり、お茶の間で家族でサッカー観戦という光景はなくなるかもしれません。
幼い頃からサッカーを見てきた人間としてはかなり悲しいことです。
サッカーというのは最高のスポーツです。
サッカーボールは親の顔よりも見てきました。
やっぱりそれは幼い頃にテレビで見たサッカーが与えてくれた影響が大きく、これからもサッカーは若い人にとって憧れの存在であってほしいと思います。
僕個人としての影響力はほぼ皆無ですが、海外サッカー選手を通して、サッカーの素晴らしさや感動を少しでも届けられるように取り組んでいきたいと思います。
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