#21 残り3分

僕が今でも本気でサッカーに取り組めているのは、高校の頃の思い出の試合のおかげである。

僕は高校3年間、監督に招集されてAチームでプレーしたことがなかった。

 

ただ、自分から監督にお願いして、選手権が終わった最後の1ヶ月だけAチーㇺに入れてもらったことがあった。

当時は、僕の高校は12月までリーグ戦が3節残っていたが、選手権が11月で終わってしまった。

選手権後は、Aチーム以外の3年はほぼ引退していっていたが、僕を含めた3人は監督に交渉し入れてもらった。

 

監督には、大学でもサッカーをしたいので練習させて下さい、と伝えて入れてもらった。

でも本当は、大学のことなんてどうでもよく、残り3節試合にとにかく出たいという思いしかなかった。

 

それから1ヶ月、僕はサッカー人生をかけて練習に取り組んだ。

すべては試合に出るため、とにかく頑張った。

しかし最終節まで出番はなかった。それどころかベンチにも入れない。

(いま考えると当たり前だよな…)

 

最終節、僕を含めた直談判組3人はベンチに入った。

昇格をかけた大事な試合でもあったため、お情けで出場の可能性も低かった。

 

試合は2-2で終盤を迎えた。

そして、残り時間5分を切ったところで監督から声がかかった。

ベンチの選手、その他のコーチ陣も、まじか!って顔をしていたので、みんなその選択に驚いていた。

 

残り3分、僕は3年目の最終節でようやくAチームの試合に出場した。

両親は大喜びしていたし、一足先に引退した仲間も涙を流していた(らしい)。

 

試合はあっという間に終わってしまったが、あの瞬間は今でも鮮明に覚えている。

そのくらい嬉しい瞬間でもあったが、3年間で3分という短い出場時間に対して悔しさもあった。

高1の時に「選手権で活躍するから!」と言って、地元の付き合いをシャットダウンしたあの頃から、試合で活躍する自分の姿を想像していた。

 

高校では活躍できなかったからこそ、今でも本気でサッカーをやれている。

僕のサッカーの原動力は高校時代の悔しさと、初めてAチームのピッチに立ったあの瞬間をもう一度味わいというところから来ていると思う。

今は思うようなサッカー人生を送れていないが、まだこれから先があるから成長を噛みしめながら進んでいきたい。

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